お茶ではないお茶
日頃、何気なく「お茶にしませんか?」と口にしますが、実際に飲んでいるものは「茶」とは限りません。
緑茶でも紅茶でも、茶樹の葉から作られたものが全てお茶であるのですから、お茶ではないお茶とは「茶樹の葉以外のものから作られるもの」と、その違いは極めてはっきりしているはずです。
ところが、私たちが日頃慣れ親しんでいるものとして、麦茶などは、本来お茶ではないものをお茶と呼んでいることに、何ら違和感を感じていません。ほかに慣例的にお茶と呼んでいるもので、コーヒー、ココア、こんぶ茶、ハーブ茶(ハーブティー)等もお茶とはいえない飲み物です。
これらお茶ではないお茶は別名、植物性飲料。
お茶以外の植物や実に何がしの加工をして、煎じ出してお茶のようにして飲むものと定義されています。
「お茶ではないお茶」ですが、それぞれの植物の個性を楽しめる飲み物と言えるでしょう。
では、お茶ではないお茶をグループごとに紹介します。
■穀物系のお茶
麦茶、ハト麦茶が代表格。このほかソバ茶、黒豆茶、コーン茶など。
いずれも、主食になる穀類を炒ったもので、香ばしい香りがします。
フライパンを使って自分で作ることもできます。
■薬草系のお茶
いわば和製ハーブティーで、ドクダミ茶、クコ茶、ヨモギ茶、イチョウ茶など種類は様々。
お茶が庶民にとって超高級品だったころ、代用茶として野草を煎じて飲んでいたのが薬草茶の始まりだとも考えられています。
薬草系のお茶は、水と一緒にやかんに入れて火にかけ、沸騰後5分程煮立てます。
急須で入れる場合は、熱湯を注ぎ、待ち時間3〜4分。成分は抽出されにくいですが、アクが出にくく飲みやすくなります。
■ハーブ系のお茶
ハーブティーの種類は膨大。通常は香辛料として使用するパセリ、フェンネルシードなどもハーブティーに利用できます。
フレッシュハーブを使う場合は、手で細かくちぎっておくとエキスがよく抽出されます。
■フルーツ系のお茶
乾燥させた果物の果肉や果皮をお茶のようにポットに入れ、湯を注いで抽出したものがドライフルーツティーです。
非常に強い香りがします。一般的にドライフルーツには水溶性の繊維が多いため、お通じを良くする効果があります。